破壊的カルト集団にのめり込む分岐点
破壊的カルト集団にのめり込む分岐点
彼らはなぜ平気で嘘をつくのか
破壊的カルトのメンバーは、なぜ一般的には「悪事」とみなされるような反社会的と思われる行動をとってしまうのだろうか。
・・・
その「悪事」と見える行動を、メンバーには特有の論理でもって正当化し、納得させているという理由である。
こうしたカムフラージュや納得させるといった心理的操作のテクニックが、「マインド・コントロール(mind control)」である。
西田公昭「マインド・コントロールとは何か」
私にとっての分岐点は、「彼らの嘘を受け入れた時点」ではなかったか。
「大学の聴講生」と名乗り、「先輩」と呼んでいた人物は、実はカルト宗教団体の専任講師であると打ち明けてきた。それはもう、私がかなりのめり込み、その団体への入会を決めた後だった。
頃合いと見たのだろう、聴講生というのも嘘、宗教ではないというのも嘘、私は少なからずショックを受けた。まだ社会のこともよく知らない、ウブな学生だった。全く疑いもせず、信じていたことに、恥ずかしさも感じた。
だから、そんな感情も打ち消したかった。
同時に、教義を信じ始めていた自分は、彼女の言葉に乗っかってしまった。
「あなたの為に嘘をついた」
「はじめから本当のことを言っていたら、聞かなかったでしょうから」
私の為の嘘・・嘘をそう正当化して受け入れてしまった。
それが間違いの始まりだった。
はじめから本当のことを言われ、聞かなかった←これがまっとうな正しい道なのだ。
本物の宗教なら、嘘などつかない。
彼らの最大の間違いは、
自分たちは正しいことをしているから、嘘をつくこともいいことだ
と信じていることである。