アイデンティティも浸食され
人生かけて、ここ一つと
若いころから青春をすべて捧げ
もう間違いないと信じ切って
嫌なことがあっても後生のためと我慢して
あれ?と思っても怖いからすぐかき消して
ずーーと長いことやってきたのだ。
それが
間違いだった
騙されていた
などと知ってしまったならば
自我が崩壊してしまうかも知れない。
だから少しでもそんなことを考えたくない
否定したかったのだ。
脳内ではありとあらゆる手段を使って
自分の信じてきたことを正当化した。
そうして
騙しの話に乗り続けたのだ。
外の世界は恐ろしい見るな聞くなと
狭い狭い世界に閉じ込められていたが
本当に恐ろしいのは
小さな人間の小さな欲望のために
自由を奪われ
人間性をも狂わされ
ただ小さな人間に振り回されて
真実を奪われていたことだった。