すべてを奪われたとしても
カルト教団に奪われるものはお金だけではない。
お金は目に見えやすくわかりやすから挙げられるだけで、お金よりも大切なものを奪われるのである。
日本語を奪われ、
知性を奪われ、
判断も奪われ、
時間を奪われ、
人間性をも奪われ、
楽しみも、悲しみも、教祖に拠る所となり、
人生そのものを奪われるのだ。
それを何十年も。
しかも苦労すればするほど、これだけ苦労したのだからと余計にしがみつくのが人間である。
しかし、しかしそれでも真実の救いは一瞬の時間もかからないのだ。
たとえ何十年騙されていとしたとしても、 心を翻すのに時間はかからない。
やめたら今まで何十年苦労してきたことが全て無駄になってしまうのではと恐れるのならば、
何も恐れることはない。
「真実の救いに於いて」は既に私の行為はすべてが無駄で間に合わないのだから。