私を直接騙したのは誰か
カルトの元凶、親玉は創始者である教団代表であることはいうまでも無い。
そして信者はその教祖が完璧な人間ではなくとも相当立派な人物であると信じ込まされているわけであるが、(人によってその程度の差こそはあれ)、それはマインド・コントロールによるものであって、実際のところは何も知らずに信じているのである。
マインド・コントロールでは、最終的には思考が超単純化されるので、”内容”というものはどうでもよくなる傾向にある。最終的に行き着くところは、「◯◯先生(教祖)がおっしゃっているのだから正しい」である。究極の権威主義である。「誰が言っているか」より「何を言っているか」で判断すべきであるのに、カルト脳では「何を言っているか」より「誰が言っているか」が気になるのである。
すでに教団のヒエラルヒーが構築された後に信者になった私などは、当然教祖と直接話したことも無い。ほとんどの人がそうであろう。教祖の人となりは、「伝聞」によって伝えられたものである。
教団内での指示や教え、ああしましょう、こうすべきだ、というのも、全部直接教えてくれたのは、教祖ではなく講師と言われる人たちや先に信者となっていた先輩達だ。
「教団ではこうしなさいと言われていました」と言ったとき、
ではそれ、誰から聞きました?誰から言われました?となると、
◯◯講師や◯◯先輩となるのではないだろうか。
一般信者が、教祖から直接こうしなさいということを言われたことはないのである。
これが、カルトのマインド・コントロールの仕組みの一つである。